【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―


「私も入ってきますね。先に寝ててもいいですからね」


永斗さんの髪をドライヤーでよーく乾かしたあと。

濡れたタオルを手に、私がそのまま浴室へ向かおうしたら去り際に腕を取られた。

え?

肩越しに振り返ると


「⋯⋯寝ない。ベッドで待ってる」


うしろからゆるく抱きしめ永斗さんの甘い囁きが耳に落ちてきた。

温かい体温に包まれ、一気に加速する心臓。

永斗さんの香りに埋め尽くされてクラっとする。

でも⋯⋯彼がベッド待ってると、なにもせずに眠れるわけないし。

ゆっくり永斗さんを見上げた。


「⋯⋯今日は、ゆっくり休まないとだめですよ」


白い頬にそっと手を寄せ、疲れが見える目元をなぞる。

決して弱音なんて吐かない彼だけど、相当疲れた顔をしている。

そういうときくらいは、身体を休めてほしいから。


「くるみを抱きしめれば元気になるから大丈夫」

「⋯⋯抱きしめるだけなら構いませんが」

「⋯⋯手厳しいな、今日は。でも、もう少し話していたいからここで待ってるよ」


甘い笑顔を浮かべ、チュッと額にキスを落とす永斗さん。

以外にもすんなりと腕を開放して、浴室へと送り出してくれた。

それがちょっとだけ寂しく感じたのは秘密だ。
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