【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「どうぞ、漆鷲さん、うふふふふ⋯⋯」
「ありがとうございます」
冷房の効いた居間に通されて。
ちゃぶ台に粗茶を配るお母さんの眼鏡には、永斗さんのことしか写っていなかった。
目がハートだし。見惚れないでもらいたい。
思わずムッとしていると、私の横でお父さんもレンズの奥で不機嫌をあらわにしていることに気づく。
こうやっておんなじ顔でムスっとしている私たちは、やっぱり親子だと感じざるを得なくて⋯⋯なんだか複雑な気分。
人懐っこい和輝は永斗さんの隣で質問攻めをしていて、お兄ちゃんはその横でお茶をすする。
そしてお母さんは反対隣を陣取って、お菓子を配って。
そんなみんながちぐはぐな雰囲気の中でも、絶妙なタイミングで永斗さんは切りだした。
「改めまして、私は――」
その瞬間、部屋の空気が変わって、全員の視線が永斗さんへと集まる。
普段まとまることのない私の家族。
スムーズに会話する流れを作ってくれる永斗さんはさすがだった。
やっぱり人の上に立つ天性の才能というか
統率力があるというか
一気に彼の魅力に家族全員がひかれているのがわかった。