【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
そんなくすぶっていた疑問が解決したのは、就任して二ヶ月が過ぎた頃だった。
確かこの日は、島田が祖父に呼ばれて不在だったんだ。
だから、社長室で過去のクレームに対する記述を読んでいた僕は、実際に確認したい思いで、自ら資料室へと赴た。
こんなにあるんじゃ、なかなか見つからなそうだな⋯⋯。
無数のホコリっぽい書類が積み重なる空間を見て、げんなりする。
棚の上の案内書きを見ながら、真っ直ぐ足を進めていると、物音がした。
ばさ、ばさ、と何冊か書類が落ちる音がしたあと、困ったような女性の声が聞こえてくる。