【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「あそこは、植物を愛する彼女のために造った場所なんだよ。なかでもバラは一番彼女の好きな花で力を入れていてな⋯⋯。
まさかそのバラの花弁を取り入れて、あんなに面白い商品を作ってくれるとはおもわなかった。」
お祖母様との思い出なんだ⋯⋯。
「授賞までは、あと一歩だったが⋯⋯感動をありがとう真島さん」
「⋯⋯そ、そんな勿体ないお言葉」
身に余る言葉だと思った。
自分がそれを作りたいから生み出しただけで、会長にお礼を言われることなんて何もしていないのに。
それで感謝されるということに、わたしは自身が胸を撃たれた。
今まで当たり前のように開発をしてきたけど、こんなに嬉しい言葉をもらったのははじめてで。
人の心に響く何かを残せたんだろうか?
そんな思い上がったことを考えてしまう。
隣の永斗さんが愛おしいものをみるような眼差しで私のことを見つめていた。
「――今年の君は、授賞よりも大きなものを得たと思うよ」
「永斗さん⋯⋯」
「それを糧に、来年も頑張ろう」
手はまっすぐこちらに伸びてきて、優しく髪を撫でる。
そうだよね。
また、人の心動かすくらいの商品を。
来年も生み出すんだ。
永斗さんが隣にいればなんだってできる気がする。
「来年も、傍で応援してるよ」
そのまま髪に触れていた手で、スッと顎を掴むと上を向かせて、流れるようにこめかみにキスを落とした。