王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
パカっと開かれたベルベットの箱の中。
そこには、ガラスの靴のリングピローが収まっていた。
部屋の照明を経て、まるでジュエリーのようにキラキラ輝きを放ち
指輪を収める箇所はふたつ。
これが、漆鷲会長から授賞式で手渡された記念品だ。
私に記念品を渡すことが決定した際、会長がトロフィーと共にガラス職人さんに特注したものらしい。
きっと、今日の様子を見る限り、よっぽど私への罪悪感が募っていたのかもしれない。
シンデレラ気分を味わえるこの記念品は、私のお気に入り。
前に永斗さんが言っていたのを思い出すなぁ――⋯⋯