王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】
ここは、巨大客船プリンセス・シンデレラ号のデッキの上。
十一月とはいえ強い太陽光に恵まれ。
笑顔の両家族に親族、友人。
そして、漆鷲フーズの社員たちが目下の甲板デッキで盛り上がりを見せている。
そもそも僕たちは午前中に、都内のリゾートホテルで、かれこれ3ヶ月計画してきた結婚式を滞りなく終えてきたばかり。
両家の家族と親族のみの、小さな結婚式で。
企業関係者や友人には、年末に行われるホールディングスパーティの中でお披露目をするという形におさまった。
とても慎ましくも華やかで、
誰よりも美しい彼女を独り占めした僕は
共にバージョンロードを歩み
誓いのキスを交わし
祖父からの贈り物である、『ガラスの靴』に乗ったお揃い結婚指輪で、永遠の愛を誓いあった。