王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】


オーガンジーやチュールがふんだんにあしらわれた、オートクチュールブランド『BASIC』のウエディングドレスを纏う彼女。

今も目の前にいるが、滅茶苦茶にしたいくらい美しい。

僕はというと、純白のタキシードにベストとタイは淡いゴールドで揃えた。

そして、彼女の小さな足に、この日のために誂(あつら)えたガラスの靴を嵌めたときには


「社員証は落としていないのに、シンデレラでいいんでしょうか」


ほんのり頬を染めながら、輝かしい笑顔を見せてくれた。


そんな世界⋯⋯いや、宇宙一美しい彼女と結婚式を終えて早々。

ドレス姿のままにカッさらって、ヘリコプターに詰め込み―――

ついさっき、ここまでやってきた。

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