【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「ふらふらしていたのは事実だから。そろそろ身を固めるしかないでしょう。」
やっぱり聞いてるんじゃないか。
「誤解を招くような言い方はやめてくれ⋯⋯」
「交際は、あなたの愛情不足で長く続いたことがないし。昔は交際していない女性と一夜を共にすることもありました」
「⋯⋯今はない」
「まぁ、ここ数年は仕事に明け暮れていましたし、本社に就任してからは、真島さんにご執心のようですが。こんなことは初めてです」
僕は島田の白々しい顔をみながら、開けてもらった黒塗りのベンツの後部座席へと乗り込んだ。
スナイパー波に鋭い島田には、自分の気持ちを知られていたところで、恥ずかしいとも感じない。
全て開け透けだ。
むしろ、僕が真島さんに対してこんな気持ちになることだって、最初からお見通しだったかもしれない。
シートに体を沈めると、深いため息がもれる。
ゆっくりと車が滑り出す感覚を感じながら、僕は目を伏せた。