【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「会長との話しは終わったんですか?」
二枚扉の玄関から入ってきたのは、ブラックスーツに身を包んだポーカーフェイスの彼。
残務処理で遅れてやってきた島田だ。
「なんの話があったのか、知ってるような口ぶりだね⋯⋯」
僕がムッと睨みつけると、島田はわざとらしく肩をすくめて、玄関の扉を開き僕を外へと連れ出す。
島田は昔から一癖もふた癖もある性格で、それを気に入っていた祖父が、大学を卒業してすぐに漆鷲家に迎え入れた。
彼のことを異様に気に入っているじーさんが、僕のことを、相談していないわけがない。
無論、僕の恋愛事情に首を突っ込んで来なかったのも、島田が祖父に情報を流していることには気づいていた。
ジロっと見やると島田の口角がわずかに上がる。