【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「⋯⋯島田」
ひとしきり考えた僕は、ゆっくりと目を開いた。
「なんですか」
運転席で白い手袋が、ハンドルを優雅に裁いてゆくのが目に入る。
僕は、きらびやかな都内の車窓をしばらく眺めてから口にした。
「三ヶ月、僕は全力で口説く」
唐突に宣言したくなった。
諦めたくない、彼女が欲しいという僕の気持ちを。
口にしないと、じーさんに負けそうで怖かったのかもしれない。
「⋯⋯そうですか。なにかあれば範囲内で予定を調整いたしましょう」
しばらく間をおいて聞こえてきた言葉。
僕は耳を疑った。
仕事に支障をきたすような事はミリも考えていなかったが、島田へ自分の決意が届いたことがうれしくなり、素直に「ありがとう」と伝えた。