【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「そもそも、なんでこの原料を入れ替えしたいの?このまま元あるものを調整して使用するのは不可能なの?」
「それもお前たちが変えようとしてるのは、一番『色彩』『味』にも関わってくる大切な部分だから⋯⋯これじゃ変えられるものが極わずかに限られる。」
私と園部は、『研究室』という試作や研究を行う部屋で、別グループの先輩たちに相談をしていた。
理科室のような精密機器の揃う空間で、白衣を着た数名がテーブルで顔突き合わせ、渋い表情をしている。
「従来のものに、その原料に魚介類による生臭さがあると、たまにクレームがあったんです。何度か調整を試みたんですけど、どの過程でも払拭できなくて、別の企業で作られている同様のものに改善したいと、提案しました。」
「改善するならより良くしないと、思い切ったんですが――まぁ⋯⋯コスト高でボツくらったわけで。」
私が淡々と説明したあとに、園部が補足する。
払拭できないとなれば、使用する原料との相性に問題があるということだ。
こういう問題が起きることは少なくはないのだけれど。
やっぱり無理かな⋯⋯
一瞬沈黙が訪れた。
しかし、諦めかけたとき、近くの機器で調査していた、うちのチームの松田主任が思い出したように顔を上げた。