【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「⋯⋯なるほど。」
隣の小会議室に移動して、園部の渡した資料に長い間目を通していた社長の顔がようやく上がる。
「――それで、松田さんのアドバイスでここに来たのか」
資料ひとつで概ね理解した漆鷲社長は、シャープな顎を撫でながら資料を園部に返す。
「よく松田主任だってわかりましたね。」
「わかるさ。実は、僕は入社して5年くらいは本社にいたんだ。そのときに同じグループで厳しく指導されてね⋯⋯。君たちが探していた商品は、その頃のものだよ」
漆鷲社長はクスクス笑いながら、シャツのポケットから付箋を取り出して、机に転がっていたボールペンで何かを書き綴ってゆく。