【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
「ごめん、痛かったね」
長い指先が私の鼻をスッと撫でて、ぶつけたときにずれた眼鏡の位置を整える。
ひゃっ
私はドアに背中を張りつけた。
「だっ大丈夫です。社長の方こそ、傷が綺麗に治って良かったです」
って何言ってるんだ私は!
「心配してくれてありがとう」
「い、いえ⋯⋯」
いや、本当はこんなこと言いたいわけじゃない!
そもそも色んなことが聞きたいっていうか⋯⋯
今すぐ離れて欲しいっていうか。
そう思いつつも、そんなこと言えるわけがなくて。
んでもって、漆鷲社長は腕の格子を開放してくれる様子はなく、優雅に微笑んでいる。
ええと⋯⋯
「――営業への案内は⋯⋯?」
ようやく当初の名目を思い返して問いかける。
「⋯⋯嘘。今夜の約束の確認のために、ここに連れてきた」
「こ、今夜?!」
ひっくり返りそうになった。
社長は「どうしたの?」と聞きたげだけど、むしろ
あの約束が本気だったなんて、私の方が疑問符でいっぱいだ。
それも今確認にきたとか、いきなりすぎる。
驚きすぎて、声が出てこなかった。