王子様の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―【コミカライズ原作】

変身させてくれたのは、鏡越しにこちらを笑顔で見守る、スーパーモデル並みのプロポーションを持った、プロフェッショナルなお姉さんたち。

仕事を終えて急いで社長室にやってきた私は、美しいスマイルを浮かべた漆鷲社長に出迎えられて、入るなり彼女たちに、この部屋の続き扉の向こう側に押し込まれた。


もう30分前のことだ。


そこで着ていたスーツを剥ぎ取られて、

ワンピースを着せられて、

無理矢理化粧を施されて、

髪を結われて、

その道のプロである女性たちの手によって美しく作り変えられて―――

現在に至る。

華麗なほど手慣れていて、素早くて、あっという間だった。

私が鏡と見つめ合ったまま自分の変貌に唖然と固まっていると、レース越しの肩に大きな手が乗せられた。

温かい手に、ドキっと胸が鳴る。
< 94 / 489 >

この作品をシェア

pagetop