【コミカライズ】漆鷲社長の寵愛は突然に―地味っ子眼鏡への求愛のしかた―
そして、怪しい手付きで、指先を引っ掛けて私の顎を上げた。
「―――それならいいよ?」
“ベッドの上でね”……
「――べっ?! ベッっ⋯⋯!?」
な、なに言ってるの!!
この人は本当に、漆鷲社長なんだろうか。
真っ赤な顔でにらみつけて距離を取ると、トロケそうな笑顔が返ってくる。
怒ったところで、この人に到底敵わなそうなのは、なんとなく目に見えている。
ぐっと押し黙った上に、そんな可愛らしい笑顔を見せたれたら⋯⋯
怒りに似た羞恥のような気持ちが、シュルシュルと小さく消えてゆく。
「⋯⋯ありがたく受け取ります」
「ははっ!⋯⋯なら良かった」
急に素直になった私を見て、社長は声を上げて笑う。
無邪気な子供みたい。
変なこと言ったのだって、私に気負わせないためなんだろうな。
なんとなくそう感じた私は、フッと笑みがこぼれてしまった。
眩しい人⋯⋯
そう見えるのは、眼鏡という仕切りがないからだと思っておこう。