行き着く先は・・
(十四)

••二人のおかげ


希空は、花の勉強と紹介記事の仕事を
定着させて行った。

オオノギ製薬にいたときとは
別人のようだ。

花屋では、ジーンズやパンツ
スタイルにエプロンと動き安く
記事の紹介では、少しお洒落をして。
移り行く毎日が楽しくて
仕方なかった。

母・茜は、希空を後継者にと
考え始めていた。
希空がオオノギ製薬に勤めていた時は、
自分の代で終わらせて良いと
思っていたが·····

希空には、
花屋としてのセンスがあり
どうすれば、花を
より一層美しくみせれるかを
自然と習得していた。

店長の木野さんも
茜と同じ意見だった。

お店には、
希空を目当てにくるお客様も多く
中には、紹介記事を書いている
Noaだと知っている人もいた。

書籍仕事は頻繁ではなかった為
気負わずに仕事をする事ができた。

アレンジメントの教室も
全てが終わり卒業した。

そんなときに希空は、
「花の勉強にイタリアに行ってみたい。」
と、言った。

ベトナムとかも
素晴らしいみたいだけど····
と、悩んでいたようだが
記事の紹介も兼ねてとなり
イタリアに決めた。

茜は、二週間の予定で受理した。

二人で夕食をしている時に
茜は、希空に後継者の話をしていた。
もちろん、強制はしない事も······

希空は、
「お母さんのように出来ないかも
しれない。だけどチャンスを与えて
もらったと思って頑張りたい。」
と、言った。

記事もイタリアの花事情で
許可を得た。

誰の伝もなく
イタリアに行き
自分でお店に交渉して
働かせて貰う。
イタリア語は苦手だが
英語は、話せるから
なんとかなると思っていた。

飛行機の中では、
イタリア語を勉強しながら過ごす。

母との話で
母の様にやれるのか
心配ではあるが
母がずっと側にいてくれると思い
あまり心配していなかった。

ひかりも、
「目指すものが決まって良かった。」
と、喜んでくれた。

本当にひかりと母のお陰だ。
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