行き着く先は・・

••突然


悠人さんの腕をひねりあげた
手が見えた。

痛みから解放されて
その人を見ると

「えっ、そ····う···ご····さ··ん?·····」

「痛い、痛い!」
と、騒いでる悠人さんに気づいて
「聡吾さん、離してあげて下さい。」
と、言うと
聡吾さんは、チラリと私を見た。

たぶん····見たはず······
サングラスをしているから
わからないが、顔がこちらをむいたから
頷いた。

聡吾さんは、悠人さんの腕を離して
突き飛ばす。

悠人さんは、尻餅をつきながら
聡吾さんに文句を言っていたが····

正樹は、突然現れた
サングラスをかけた
背の高い男性に驚き
あちら系の方かと思い
私の手を取り
その場から離れようとすると
聡吾さんが、その手を離し
「なん、なんなんですか?あなた!!」
と、正樹が聡吾さんに叫ぶが
聡吾さんは、サングラスのまま
正樹に顔だけを動かした。

回りに人が集まってきたから
聡吾さんの事がばれたら大変と
聡吾さんと正樹の手を取り
その場から離れようとした。

悠人さんは、そのままでも
良いかと。

だが、聡吾さんは、
悠人さんに向かい
「おい。あんた二度と
希空に近づくな。
お前のせいで
好きだった仕事も辞めたんだ。
あんた、本来なら
その償いをしないといけない立場
だろうが。
これ以上、希空に関わるなら
でるとこにでるぞ。
はったりじゃないからな!」
と、言うと
今度は、聡吾さんに手を繋がれて
歩かされた。

少し行くと正樹が
「希空、大丈夫か?
それと、この人知り合いか?」
と、訊ねたから
「正樹、ごめんね。
巻き込んで。
この人は、知り合いなの。
だから、心配しないで。」
「そうか、なら良い。
ありがとうございました。
助けてもらって。」
と、正樹が聡吾さんに言うと
「希空を助けただけだ。」
と、言うから
正樹が、はぁ?となったが
大丈夫、心配ないからと
正樹に伝えて帰らせ······

「聡吾さん、仕事ですか?
すみません、巻き込んでしまって。
でも、ありがとうございました。
助かりました。」
と、言うと
聡吾さんに手を引かれて歩かされた
「どこに?」とか「離して下さい。」
と、言うが聞き入れて貰えずに
ついた場所は、アマンホテルだった。

ん?聡吾さんの宿泊してる
ホテルか?と思っていると
「仕事じゃない。」
と、言うとどこかに電話していた。

部屋のブザーがなり
聡吾さんが入り口に行くと
何かを貰い
私の座るソファーに来て座った。

袖を捲られると
手型がついて赤くなっていた
そこに湿布を貼られて包帯をされた。

さっきの電話は、これ?
と、思いながら
「ありがとうございます。」
と、言うと
「大丈夫か?」
と、言うから
「はい。」
と、答えた。

その後、なにも話さない聡吾さんに
ひかりが待っているから
帰りますと言おうとしたら·····
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