結婚から始めましょう。
「私が見つけてあげる」

「何を?」

「桃ちゃんの旦那様に決まってるでしょ」

「えっ?いや、それはちょっと……」

急に言われて、お願いしますとは言えない。
そりゃあ、いつかはお付き合いをしてみたいとは思うけど、華子が探そうとしているのは夫であって彼氏ではない。

「華子さん、私まだ結婚までは……」

「桃ちゃんが自分でお相手を見つけられるのならいいのよ。でも、私の知る限り桃ちゃんに任せてたら……無理ね。出会いが皆無だもの」

さらっと言われてるけど、26歳女子で出会いが皆無の生活って、致命的なのかも知れない。

「それにね、妹も貴志さんもいなくなっちゃって、桃ちゃんの幸せを見届けられるのは私だけでしょ?責任重大よ」

それを言われると私は弱い。
華子は決して恩返しを要求したり、何かを押し付けたりすることはない。
けれど、母の代わりにという思いはすごく強くて、私に幸せな結婚をして欲しいって願っていることを知ってる。私もそれこそが恩返しになるってわかってはいるんだけど……

「私もね、いつかは好きな人と結婚できたらって思ってるよ。幸せな姿を華子さんにも見せたいし。でも、まずは彼氏かな」

「結婚してから恋をしてもいいのよ」

「えっ?」

「条件が合って、お互いにこの人ならって思えたら、結婚してから恋愛をすればいいのよ」

そういうものなのだろうか?
結婚してから万が一やっぱり違うってなっても、時すでに遅しだ。
なにより職業柄、離婚は避けたいところ。


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