結婚から始めましょう。
2日間、真人の言っていたことを考えた。
あんなの気にしなくていいと思う反面、いやでも気になってしまう。
反発するのは、単なる強がりでしかない。聞くのが怖いのに、聞かないのも怖い。それが本音だ。

もうこうなったら聞くだけ聞こうと、昼休みに外に出たタイミングで真人に電話をかけた。

「もしもし」

「秋葉桃香です。今、お電話大丈夫ですか?」

「ああ、あんたか。やっとかけてきたな」

「ああいう言い方をされると、気になりますし」

私の心境なんてお見通しだとでもいうように、くくくと笑っているのが伝わってくる。嫌な感じだ。

「明日の夜、確か蓮は会食があったはずだ」

真人に言われて蓮の予定を思い出す。確か、遅くなりそうだと言っていた。

「はい、聞いています」

「なら、明日の夜に会おう」

時間と場所を告げると、こちらが了承するのも待たずに、プツリと通話を切った。

蓮には言うなと以前釘を刺されていたのもあるけれど、あの人と会うことはなんとなく後ろめたくて、蓮には言えなかった。代わりに、友人に会うと嘘の予定を伝えた。




< 90 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop