結婚から始めましょう。
「まず、カサブランカがあいつの母親の立ち上げた会社だってのは知ってるな?」

「ええ」

「じゃあ、俺の立場を知ってるか?」

「……いえ」

「今は秋葉グループの系列会社の、代表取締役だ」

蓮も同じようなポジションを提示されたって言ってたけど、秋葉家の人間なら当然の道筋なのだろうか。

「秋葉グループの直系の孫である蓮が、なぜこれまで歴史の浅いカサブランカの社長でしかなかったか、知ってるか?」

「それは……お母様の意思を継いだんじゃあ……」

「まあ、それもある。だが、それだけじゃない」

ニヤリと嫌な笑みを浮かべて、見せつけるようにゆっくりとカップに口を付けた。その勿体ぶった様に、妙な焦りを感じてしまう。



「蓮が、秋葉家の中で爪弾きにされてるからだよ」

真人は、困惑する私の様子をじっとりと睨めつけながら、おもむろにそう言い放った。


爪弾き……


「あいつの父親が、高校教師だってのは知ってるな?全ての原因はそこにある」

「え?」

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