触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「ミカさん、パジャマこの前と同じでいい?」



寝室から戻ってきた澪ちゃんが、バスタオルと服を持ってきた。



「うん、ありがとう」

「先にシャワーどうぞ」

「澪ちゃんからでいいよ」

「そうですか? ではお先に。
あ、暇だったらテレビ見てていいですよ。
DVDも、ここにいっぱいあるので適当に」



そう言ってテレビボードの下の引き出しを開ける。
中にはびっしりとブルーレイディスクが並んでいた。

すごい、何本あるんだ……。

洋画が好きだと聞いたことはあるけど、こんなに数を持っているとは思わなかった。


どれを観ようか悩んでいると、「行ってきまーす」と背中に声がかかった。




子どもの頃に観たことのあるアニメ映画の実写版を見つけた。
映画館で観たかったけどなかなか行けなかったやつだ。

傷をつけないように取り出して、テレビ横にディスクを吸い込ませる。
前の澪ちゃんのように部屋の電気を消して、映画館の雰囲気を作った。



子どもの頃に観たアニメ版はオープニングと前半が怖くて、1人で観られなかった。
でもハッピーエンドが大好きで、セリフをそらで言えるほど何度も繰り返し観た。


アニメと同じ歌が流れる。
歌詞は違うけど、懐かしくて口ずさんでしまう。

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