触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
子どもの頃、大嫌いだった悪役はやっぱり大人になっても怖い。
澪ちゃん自慢のスピーカーのせいで、雷や嵐の音が鮮明に聞こえて、修羅場の臨場感がどっと増す。



「部屋暗いからびっくりした」


リモコンを握りしめてクッションを抱きながら観ていたら、いつの間にか澪ちゃんが戻ってきていた。



「あ、澪ちゃんのマネ。
すごいね、音が迫力あってもう雷とか本物みたい」

「でしょう?」



満足そうに澪ちゃんが目を細める。



「あぁ、シャワー借りるね」

「これはこのまま一時停止にしておきますよ」

「うん、ありがとう」



クッションとリモコンを手渡してお風呂場に向かう。

脱衣所の洗濯カゴにさっきまで着ていた服が入っている。
じっとりとした湿度と温度の中にいて、澪ちゃんの使った直後だと意識するとまた心拍数が上がる。


ーーあぁ、いちいち反応するのどうにかしたい……。


心臓が、思春期レベルで忙しい。

シャワーの温度を少しぬるめにして、熱くなった体を冷ます。
日付的には月曜日で、いつもならすでにベッドの中なのに今は全然眠くない。

これからすることを想像して、また体温が上がる。
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