触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
下腹部の違和感と足の付け根の筋肉痛に耐えながら着替える。
黙って立っているのが少しつらい。
淡々と帰宅準備を始める私に、澪ちゃんが窺うように尋ねる。
「……ミカさん、なんでそんな冷静なの」
ーー冷静なわけない。
その証拠にさっきから一切目を見れないでいる。
見たらきっと、意識してしまう。
昨日のこととか、今までのこととか。
「そんなことないよ、これでもかなり驚いてるし。
一周まわって感情追いついてないんだきっと」
澪ちゃんが男だと聞いて、「まさか」と思う自分と「やっぱりそうか」と納得できる自分がいる。
よく考えたら澪ちゃんは、「自分の性別」に関することに敏感だった。
一緒にお風呂に入るとか茶化すような発言はしても、実際に行動することはない。
私が拒否するのをわかっているからだ。
昨日だって体を見せることもはぐらかした。
男だとバレることを恐れていたのかもしれない。
私が男の人に触られるのを拒否していたから。
そういうことを何度も聞いていたから。
黙って立っているのが少しつらい。
淡々と帰宅準備を始める私に、澪ちゃんが窺うように尋ねる。
「……ミカさん、なんでそんな冷静なの」
ーー冷静なわけない。
その証拠にさっきから一切目を見れないでいる。
見たらきっと、意識してしまう。
昨日のこととか、今までのこととか。
「そんなことないよ、これでもかなり驚いてるし。
一周まわって感情追いついてないんだきっと」
澪ちゃんが男だと聞いて、「まさか」と思う自分と「やっぱりそうか」と納得できる自分がいる。
よく考えたら澪ちゃんは、「自分の性別」に関することに敏感だった。
一緒にお風呂に入るとか茶化すような発言はしても、実際に行動することはない。
私が拒否するのをわかっているからだ。
昨日だって体を見せることもはぐらかした。
男だとバレることを恐れていたのかもしれない。
私が男の人に触られるのを拒否していたから。
そういうことを何度も聞いていたから。