触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
SARASAに着いたときには、21時を過ぎていた。
ドアを開けて真っ先にカウンターを見る。
澪ちゃんと目が合って、微笑まれる。
土曜日だからか、カウンターは既に半分ほど埋まっていて奥のボックス席からもにぎやかな声が聞こえる。
ドアのベルを聞いて、サラサさんが奥から出てきた。
私の顔を見るなり、「なんだ、ミカか」と言ってまた奥に引っ込んでいく。
「こちらへどうぞ」
澪ちゃんがくすくすと笑って、隣の人と一席空けたところへ案内する。
「こんばんは、ミカさん」
家とは全く違う一線を画した態度。
前は他人行儀に感じて少し嫌だったけど、こうして使い分けているとわかってからは面白く感じる。
「こんばんはー」
「今日は遅い時間に来たんですね」
「うん、高校のときの友達とご飯食べてて」
「……高校のお友達ですか?」
営業用の柔らかい笑顔がすっと消えた。
そういえば朝は部屋の掃除をすると言って出たんだった。
「あ、うん! この人! 女の子!」
着信履歴に残った名前を見せる。
澪ちゃんは早坂との一件があってから、私の交友関係に敏感になった。
元彼とご飯を食べに行った私が悪いので、こうして潔白を証明する。
「あぁ、楽しかったですか?」
「うん!」
「それはよかった」
元の柔らかい笑顔に戻ったのを見てほっとする。
ドアを開けて真っ先にカウンターを見る。
澪ちゃんと目が合って、微笑まれる。
土曜日だからか、カウンターは既に半分ほど埋まっていて奥のボックス席からもにぎやかな声が聞こえる。
ドアのベルを聞いて、サラサさんが奥から出てきた。
私の顔を見るなり、「なんだ、ミカか」と言ってまた奥に引っ込んでいく。
「こちらへどうぞ」
澪ちゃんがくすくすと笑って、隣の人と一席空けたところへ案内する。
「こんばんは、ミカさん」
家とは全く違う一線を画した態度。
前は他人行儀に感じて少し嫌だったけど、こうして使い分けているとわかってからは面白く感じる。
「こんばんはー」
「今日は遅い時間に来たんですね」
「うん、高校のときの友達とご飯食べてて」
「……高校のお友達ですか?」
営業用の柔らかい笑顔がすっと消えた。
そういえば朝は部屋の掃除をすると言って出たんだった。
「あ、うん! この人! 女の子!」
着信履歴に残った名前を見せる。
澪ちゃんは早坂との一件があってから、私の交友関係に敏感になった。
元彼とご飯を食べに行った私が悪いので、こうして潔白を証明する。
「あぁ、楽しかったですか?」
「うん!」
「それはよかった」
元の柔らかい笑顔に戻ったのを見てほっとする。