触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「あらら」とサラサさんが私を座らせて澪ちゃんを呼びに行った。
しばらくして、澪ちゃんが飲ませ過ぎだとサラサさんを叱りながら来てくれた。
「ミカさん、大丈夫? 吐きそうになってない?」
「うん、平気ー。でもちゃんと立てなくなっちゃった」
数時間ぶりに澪ちゃんに会えて嬉しくて手を伸ばして抱きつく
ーーあ、胸がある……。
ぐりぐりと額を擦り付けていたら澪ちゃんが「痛い痛い」と笑いながら体を引いた。
「完全に酔ってるわね、これ」
「うん、可愛いよね」
「何言ってんの澪ちゃん」
サラサさんが澪ちゃんの背中を叩く。
仲のいい2人のやり取りが、漫才を見ているようで面白くて笑ってしまった。
「どうする? 澪ちゃん、帰る? ミカひとりで帰らせるのも怖いし」
「そうですねー、いいですか?」
「いいわよ。0時過ぎてるし、お客さんもそうそう来ないでしょ」
澪ちゃんとサラサさんの会話をボーッとしながら聞いていたら、突然体が浮かんだ。
抱きかかえられてボックス席から出る。
ドアに一番近いカウンター席に座らされて、水をもらう。
「じゃあ、着替えてくるから待っててね」
「はーい……」
澪ちゃんを見送って、水の入ったグラスを傾ける。
サラサさんが澪ちゃんの代わりにカウンターの中へ入って、タバコを吸い始めた。