エリート副社長とのお見合い事情~御曹司はかりそめ婚約者を甘く奪う~
「私がやらなくても四宮くんのご両親がしそうじゃない?」
「え」
「あのご両親なら、四宮くんがやっとの思いで連れてきた鈴奈ちゃんを逃がすわけにはいかないって、四宮くん以上に意気込んで色々するんじゃないかな。ウエディングドレスとかもう作り始めてたりして」
ニカッとした笑顔で告げられた言葉に、フリーズする。
いや……そんな、ウエディングドレスなんていくらなんでも気が早すぎるし、それはありえない。
大体、そういう話はきちんと順序立てて進めていくものだし、まだ数回会っただけの私相手にそんな……。
そうは思うのだけれど、〝ない〟と強く言い切れないのは三日前、四宮さん宅でお夕飯をご一緒させてもらっていた時のことが頭をよぎるからだった。
出先から帰宅されたお父さんと、なぜか氷室さんも交えて囲んだ食卓は終始とても賑やかなものだった。
お酒も進んだせいか、みんながご機嫌で……とくに、四宮さんのご両親と氷室さんが盛り上がっていた。
『いえね、ずっと不思議には思ってたのよ。ほら、ホテルのラウンジで鈴奈ちゃんを紹介してもらったとき、どうして氷室くんが同席してたのかしらって。でも、今日鈴奈ちゃんの話を聞いてようやくその謎が解けたわー。保護者代わりにずっと傍にいてくれたのね。私、見直しちゃったわ』
『いやいや、どっちかっていうと俺の方が面倒見てもらってる感じだからあんまり偉そうなことは言えないけど、でもやっぱりずっと傍にいたし鈴には幸せになって欲しいとは思ってますよ。だから四宮が浮気とかして鈴泣かしたら、俺、たぶん殴っちゃいますけどそこは多めに見てくださいね』
氷室さんの発言に豪快に笑ったのはお父さんだ。