エリート副社長とのお見合い事情~御曹司はかりそめ婚約者を甘く奪う~


まだ始業時間まではだいぶあるし、四宮さんも今の時間なら大丈夫だろうと一応思いながら待っていると、呼び出し音が切れ電話がつながる。

『鈴奈? どうした?』
「あの、今のメッセージ、選択肢から推測するとまるでウエディングドレスの形の種類みたいに思えるんですが……。それに、バージンロードって……」

『ああ、なんだ。気付いていたのか』

四宮さんの返事に、ふたつの意味で驚く。
やっぱり想像通りだったことと、あとは……。

「え、気付いていたんですか……?」

お母さんたちが聞いている服がウエディングドレスだと四宮さんが気付いた上でメッセージを送ってきたということ。

だって、気付いたなら、私に聞く前に〝まだ早いから〟と話を止めたっていいはずだ。
それなのにそうしなかった理由がわからずにいる私に、四宮さんが笑う。

『気に入ったものは逃がさないで丸め込むという部分は両親に似たらしい。もう、四宮家からは逃げられないと思ったほうがいい』

携帯から聞こえる四宮さんの声だけで、上機嫌なんだなということがわかる。
満足そうに微笑んでいるのが容易に想像がつき、言葉がでなかった。


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