気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
番外編

「要おじちゃ~ん、遊ぼう!」

「お~、いいぞ。」

俺に纏わりつくのは今年5歳になる(イツキ)(ルイ)

両親に似て幼いながらにどちらもかなり顔が整っていて将来はモテる
こと間違いないだろう。

兄の樹は、父親の蓮に顔も性格も瓜二つ。

弟の類は、母親の玲に似て色白で漆黒の髪に瞳、飄々としながらも意志の
強さをその目に感じる。

二人は二卵性の双子だ。


「要さん、あんた社長なのに毎週のように家に来て暇なの?」

目上の、仮にも旦那の兄である俺にも容赦ない言葉をあびせるのは、言わず
と知れた弟の嫁の玲。

今にも産まれそうな大きなお腹を重そうにしながらも淹れたてのコーヒーを
俺に差し出す。

「ありがとうね、玲ちゃん。
 予定日っていつだっけ?」

「後二週間ですかね。」

そう言いながら、大きく出ているお腹を擦った。


弟の蓮と玲ちゃんがいわゆるデキちゃった結婚をして早いもので5年が経つ。

その時玲ちゃんは、高校二年生に17歳。

まだまだやりたいこともあったと思うのに、さっさと高校を中退し、1月1日
の元旦に弟と入籍、その年に双子の男児を出産した。

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