気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
同時刻、俺は何時ものように自身がオーナーをしているclubに向かう
車の中にいた。

車の中には、運転手の久我 隼人(クガ ハヤト)と秘書の鳴井 恭(ナルイ キョウ)
乗っている。

「カオスの方は今月の売り上げも上々、揉め事も特に無し。
 今日は久々にカオスでゆっくり飲むか?」

助手席から振り返って恭が俺にそう声を掛ける。

そうだな、たまには良いかもしれない「あぁ」と短く答えると「了解」と
言いながらスマホに何やら打ち込み始めた。

もうすぐclubという所で車が赤信号で停車する。

ふと目を向けた路地裏に動くものが目に入った。

どうやら喧嘩らしい、この繁華街では大して珍しいものではないが、男二人
相手にやけに小柄な奴が拳を振り下ろしていた。

パーカーのフードを被っていて顔は見えないが、素人とは思えないしなやかな
身のこなし、相手の動きに対する俊敏さに俺は目を逸らせないでいた。

男共が地面に崩れ落ちるとそいつのフードがふわりと外れた。

近くの街頭に照らされたそいつの姿は、アッシュグレーのショートヘアーに
エメラルドグリーンの瞳・・・あぁ、あいつが・・・‟CAT”か・・。

俺の口角が上がる。

車が再び動き出すと、助手席の恭が不思議そうに
「何か良いことでもあったか?」
と声を掛けてきたので「・・・まあな。」とだけ返しておいた。


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