気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
午後8時丁度、手元に置いてあったスマホが音を立てる。

「・・はい。」
「下だ。」

オイオイ、掛けてきてそれだけ!?マジでムカつくんだけど!!

怒りでスマホを壁に投げつけようと振り上げた腕をいくばくか残っていた
理性で静かに下ろす。

‟ あいつ、いつかヤッテやる! ”

そう心に決めるとよそ行きの仮面をつけ部屋を出た。

マンションのエントランスから出ると、正面にいつかの高級外車が停まって
いて、私の姿に気がついた鳴井 恭(ナルイ キョウ)が助手席から降りてきて
後部座席のドアを開けた。

「今晩は、玲ちゃん。どうぞ。」
どこぞの執事か!というくらいスマートにキラキラしそうな王子様スマイルと
共にエスコートする。

「・・・・・。」
鳴井 恭を一瞥しつつ無言のまま車に乗り込むと、座席に偉そうに座るそいつ
に向け「何の用?」と怒りを抑えた低い声で尋ねると返って来た言葉は
「・・メシ。」

不穏な空気を察知したのか助手席に乗った鳴井が
「一緒に夕食を食べようって言ってます。」とすかさずフォローするが、その
肩は笑いをこらえているようで微かに震えている。

「チッ・・」黒瀬蓮の長い脚が助手席を後ろから蹴った。

< 22 / 104 >

この作品をシェア

pagetop