気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
俺の視線の先には、下着姿で顔を赤く腫らしたCAT・・いや、玲。

その刹那、俺と玲の視線が絡む。

今・・・お前の目に俺はどう映っている?

お前は、少し泣きそうで辛そうな、そんな顔をして俯いた。


すると、パン!と乾いた音がして不破の手が弾かれたと同時、玲が俺
目掛けて走り出す。

そこからは、黒瀬組の独壇場だった。

黒瀬組は元々武闘派で名を馳せていた組だ。

ものの五分も関わらず、その場にいた大西組の制圧とクスリの回収を終えた。



「兄貴、俺達は先に帰るな。」

俺の側には、俺の上着を着た玲。その肩を抱きながら兄貴に言った。

「あぁ、そうだCAT、すまなかったな。お陰で助かった。」

「いえ、お役に立てて良かったです。」

玲は兄貴に頭を下げると、口角を上げ微笑んだ。

「チッ」

俺の舌打ちが聞こえると兄貴は「じゃあな」と手を上げ離れていく
その後ろ姿は、何だか嬉しそうに見えた。

車に戻ると、玲はスマホでどこかに掛ける。

「あ、私。無事に終わったよ。・・・ありがとう・・ん・・じゃあ、また。」

「誰だ?」

「あぁ、カラス。仕事が終わった事、連絡しないとね。」

「・・・そうか。」

それから玲は窓から外を見ていて、俺とは目を合わせなかった。

俺は玲の手を握り、お互い無言のまま車は俺のマンションに着いた。

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