気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
「いや~、俺の知り合いがここに居るっていうんでね。」

兄貴は倉庫の中をグルっと見渡すと、ある場所で視線を止めた。

「あ~、いたいた。CATをこっちにかえしてもらいたいんだが・・・?」

「何かの間違いじゃないですか?
 そんなCATなんてのは、ここにはいませんよ。」

「あ゛あ゛!ごちゃごちゃ煩せ~なぁ~。
 CATがここに居るのは分かってんだよ。
 今回、CATには態と掴まってもらって囮になってもらった。
 おかげで、計画通りこの倉庫の場所も分かったしな。
 ついでに、そこのクスリの証拠も、もう全て揃ってんだよ!
 今頃、大西組にはサツが行ってんじゃないか?」

「な、なんだと!」

初めて大西が動揺を見せた。
すかさず、兄貴が追い打ちをかける。

「大西組は終わりだな。
 どうする?
 このまま大人しく俺に従うか、それとも、やり合っちゃう?」

大西組の若頭が唇を噛んで悩む仕草を見せた時

「あ゛ぁぁ!こうつがどうなってもいいのかぁぁッ!」

声のした方を見れば、大西組若頭側近の不破がCATの頭にチャカをつき
つけていた。

その様子に俺が一歩踏み出そうとするのを兄貴が抑えた。

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