気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
‟ 結局、この部屋も一年ちょっとしかいなかったな・・。”

ガランとした部屋を見渡すと何とも言えない気持ちになり、少し感傷に
浸っていると、「帰るぞ。」と蓮の声が聞こえた。

「・・うん。」

私はスーツケースをガラガラと引きずりながら蓮の後に続いて部屋を後に
した。


蓮の部屋に入ると、引っ越しの荷物が運び込まれる。

まぁ、荷物と言ってもPC用の机と椅子にPC、それと服と学校の物、日用品
ぐらいしかないのでダンボール6箱程。

他の物は、全て蓮の部屋に揃ってるし、ベットに至っては寝室は一緒という
蓮に捨てられてしまった。

作業員が帰ると、蓮がリビングのソファーに座り、手招きする。

しょうがなく隣に座ると「ここが、玲の帰る場所だ。」と真面目な声で言うから
「分かってる。」と返すと、嬉しそうな顔を向けるから、ちょっとだけ照れく
さくなってしまった。

でも、少し不思議な感覚。

広大さん達と離れて一人暮らしを始めてから、まさか自分がまた誰かと一緒に
暮らすようになるなんて考えてもみなかった。

それが、こんなに早く覆されるとは・・・。

でも、満更でもない自分がいて・・・。

‟ 成るようにしか成らないか・・・ ”



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