気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
私の帰る場所
空港から学校までバスで戻ると解散となった。

一時的に借りていたウィークリーマンションに戻ると、全ての荷物を
再びスーツケースに入れると外に出た。

それ程長く離れていたわけではないのに、随分と久しぶりに感じるのは
離れていた気持ちの所為だろうか。

エントランスを入りカードキーをかざす。

エレベーターに乗り込むと、ドキドキと緊張が押し寄せる。

部屋のドアの前に立つと、一度深呼吸をする。

フッ~っと息を吐くと覚悟を決めてカードキーをかざしてドアを開けた。

「帰ってきたんだ・・・。」

少し重いスーツケースをゴロゴロさせながらリビングのドアを開ければ
そこには思いがけなく蓮が居た。

「おかえり。」

「・・ただいま。」

私はスーツケースをその場に置いたまま蓮に駆け寄ると、蓮はその広い
胸に私をしっかりと抱き留めて、唇にとろけるようなキスをした。

「なんで、いるの?」

「大事な飼い猫が空港まで戻ってきたのがGPSで分かったからな。
 飼い主としては可愛い飼い猫に早く会いたかったんだ。」

「こういう時にもGPSって役に立つのね。」

「そうみたいだな。」


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