気まぐれな猫と俺様束縛系飼い主のちょっと危険で甘い生活
「その内に毎日、玲の隠し撮りが送られてくるようになった。
 安藤からは、玲に危害を加えられたくなかったら言う事を聞けと
 脅迫まがいの脅しがくるようになった。

 その時になって、あの時の・・大西の一件が蘇ってきた。

 もしまた、玲に危害が及んだらと思ったらどうしようもなく不安に
 なった。

 馬鹿だよな・・・。」

頭を抱え項垂れた蓮だったが、一旦グラスのアルコールを口に含んだ。

「今になって冷静に考えればいくらでも打つ手はあったんだ。
 でも、その時の俺には・・玲を俺が護るんだって事しか頭になくて
 あいつらに良いように踊らされてしまった。」

蓮の悔しい気持ちも、私を想う気持ちも痛い程伝わってきたが、私には
どうしても確認したい事があった。

「ひとつ聞いていい?」

「なんだ。」

「蓮は、あの女を抱いたの?」

「・・・イヤ、抱いてない。実は、危なかった。
 ホテルで玲と会った日、そのまま上の部屋に連れて行かれた。
 抱けといわれたが・・・役に立たなかった。」

「へ?」

「勃たなかった。」

「う、嘘でしょ!こんな性欲の塊みたいな蓮が勃たなかった!?」

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