青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~


タカノミヤは、たくさんの人で賑わっていた。
平日だからか夫婦やカップルなんかが多く、私たちも手を繋いだままなので、傍から見ればそう見えるのかもしれない。

たまに女性のグループとすれ違うと、みんな揃って二度見する。

「あの人イケメン!」
「でも彼女連れじゃん」

そんな会話が後ろから聞こえると、私はにやけてしまう。

王子と並んでも違和感ない…とまではいかないかもしれないけれど、ちょっぴり背伸びしてみて良かった。



それからウィンドウショッピングを楽しみ、お昼は何にしようかと考えていて、思いついたのは二人ともこの間行った豚骨ラーメン屋。

十五分ほど並んで食べたラーメンは、やっぱりとても美味しかった。


「そろそろ行くか」

「えっ?買い出し、まだですよ…?」


店を出ると、テンちゃんはスマホを手に言った。
今日は買い出しに来たはずなのに、すっかり楽しんでしまった。


「ここのスーパー高いから。買い出しは安いとこの方がいいだろ?
…ほらここ、卵が特売」


た、卵が特売って、その言葉似合わなすぎですよ。

スーパーの広告が見れるアプリを見せられ、思わぬ一面に唖然とする。

他の広告にも印がいくつかついているから、このアプリを普段から使っているのはよくわかる。

主婦みたいだ。女の私よりしっかりしてそう。



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