青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~



ドアをしっかり閉めてから歩みを進めると、お腹の大きな姉がベッドの上で本を読んでいた。


「いらっしゃ〜い」


本から私に目線を上げ、自分の家のようにおっとり答えるのも無理ない。
かれこれ二ヶ月近く入院しているし、もうこのまま出産まで入院するらしい。


「体調はどう?」

「おかげさまで落ち着いてま〜す」


お腹を擦りながらニコッと笑う姉は今日も可愛い。
すっぴんなのに化粧をしているときとなんら変わりないし、肌は驚くほど綺麗だ。


「今日は稜(りょう)君来てないの?」

「うん。来れないって。忙しいのはいいことなんだけどね〜」


稜君が姉の旦那様。
稜君のことはテレビでよく見ていたし、
かっこいいから私も好きだった。

姉と結婚したからって今更「お義兄さん」なんて呼べないから、今まで通り稜君と呼ばせてもらっている。

テレビで見るだけだった超人気俳優が、まさか義兄になるなんて、我が姉ながらグッジョブだ。



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