青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
稜君は今テレビにドラマに引っ張りだこで、最近会えてないらしい。
しゅんと肩を落とす姉に苦笑してから、
ベリーヒルズビレッジのショッピングモールで買ってきた高級チョコを渡す。
本来姉は病院食しか食べちゃいけないのに、こうしてたまにおつかいを頼まれるのだ。極秘で。
「わぁ〜、ありがとう!」
「どういたしまして。でもね、一日一個だけだからね?本当は食べちゃいけないんだからね?」
チョコをみて興奮する姉に釘を刺すと、わかってるんだかわかってないんだかわからない生返事が返ってきた。
姉の寂しさを紛らわすように暫し談笑していると、ガチャりとドアの鍵が開く音がした。
「お加減どうですか?」