青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
ちょっとばかり、二人の親密さにうずうずしていると、くりっくりの二重の瞳がこちらを向いた。
「…ちょっと、蒼介、高校生と知り合いなの?まさか、援交とかしてるんじゃないわよね?」
眉を下げて険しい顔をしても尚美しいお顔だ。姉並にお美しい。
…じゃなくて、高校生って、私のこと?
しかも援交って、あまりに酷くないですか?私、七年前に成人してますけど!
二十七歳を高校生と間違えるって、さすがに無理がありません?私の顔、そんなに幼いですか!
それとも、あなたのお目が腐っておられる?……失礼。
「ちげぇよ。高校生じゃない。とっくに成人してるよ。援交なんてするわけないだろ」
テンちゃんは私の言いたいことを全て声に出してくれた。
…のはいいものの、お互いに容赦のない会話が、私を蚊帳の外にしていく。
それになんだか、私じろじろ見られている。
「ふ〜ん?随分可愛らしい子ね。」
お褒めに預かり光栄です。
…じゃなくって、言っていることとやっていること、一致していませんよ。
腕組みをして見定めるように上から下まで見つめられ、私はどきまぎするばかり。
「もういいだろ、星莉(せり)。さっさと実家帰れよ。多分おばさん、ご馳走作って待ってるだろ。」
「…そうね。今日は帰るわよ。
また連絡する。ゆっくり話しましょ。あっちでの鬱憤、溜まってるのよ」