終わりから始まる恋
「上がったぞー」

風呂上がりの身体が暖かい。
家庭を持つとこんな感じなのかなーと密かに思ってみたり。

髪をタオルでガシガシ拭きながら
「次入ってこいよ」とお風呂へと促す。

「じゃあ、お風呂頂きます」
そう言って、化粧水やらなんやらを持って彼女は脱衣所に向かって行った。

今日の日付が変わる前に名前で呼ぶぞ!
そう意気込みながら風呂上がりのビールを飲む。

「やっぱ、風呂上がりはうめーなー」

からっからに喉が渇いた状態で流し込むビール程、美味いものはないのだ。
グビグビと飲みながら彼女が出てくるのを待った。

しばらくすると彼女がお風呂から出てきた。

お風呂上りで染まる頬。
髪から滴る雫がなんとも美しい。
風呂上がりはなんでこんなに唆るものなのか。
俺は食い入るように彼女に見惚れていた。
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