終わりから始まる恋
朝起きて隣を見ると彼女はいなくなっていた。

あれ?って思いながらリビングに行くと俺の服を着たすみれがいた。

「おはよう。ごめんなさい。喉が乾いて水を飲もうとしてたら溢しちゃって勝手に服、借りたの。」
そう言って彼女はパーカーの裾を持ってひらひらと揺らした。

んんんー!これが彼シャツと言うものなのか。
パーカーだからシャツではないけど!
可愛すぎて鼻血でそう。

「お、おう!」
平常心を装いながら返事をした。
内心はきゅんきゅんしなっぱなしだが。

写真撮りてぇー!
けど、どうやって?
写真撮ったらキモいやつになるのか??

「ぼーっとしてどうしたの?」
すみれが下から覗き込む。

服のサイズが合ってないので胸の所がガバガバで谷間が見えそうだ。
それに下から白い太ももが覗いているのも。

見えそうで見えないのが逆にエロい。

凝視してる俺の視線を感じ取って気づいたのか
「え、えっち!」
と顔を真っ赤にしながら慌てて胸の部分を押さえた。

「見てねぇーし」
なんて苦し紛れの言い訳をしながらそっぽを向く。

も〜。と言いながら彼女は朝のコーヒーの準備をしに行った。

彼女がコーヒーの準備に夢中なのをいいことに、そっと携帯を構えてバレないように写真を撮った。

初めて携帯のアルバムに彼女の写真が入った瞬間だった。
この写真を大切にしよう。と密かに誓ったのだった。
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