会長のお気に入りかよ‼-百花繚蘭-【完・番外編追加中】
おばさんは小柄で、やっぱり物静か。
でも話を聞くのが上手で、おばさんと話すために来店されるお客様もいる。
喫茶店と裏手にあるお家は総て持っている土地と建物だと言っていた。
その余裕からなのか、喫茶店の内装はかなりゆったりしている。
お客様の出入りを考えたらもう少し席を増やすことも可能だと思うんだけど、おばさんと話すためにくるお客様はカウンター、ゆっくり過ごしたいお客様はカウンターから離れた窓際の明るい席や奥まった少し暗めの席で過ごしている。
どちらも、お客様にとって息をつく時間を提供したいというのがおじさんとおばさんの理念だ。
雇っているバイトは俺ともう一人いて、大学生の愛染小唄(あいぜん こうた)さんだ。
定休日以外ほぼ全部入っている俺とは違って、小唄さんは人手が必要なときに入ってくれている。
明るくてフレンドリーで、ちょっとテンション高めだけどいい人だ。
学校では生徒会で忙しくしていて、バイトでも恵まれている。
いいことがたくさんだ。
課題はいつも学校で空いた時間に終わらせているから、今日は少し勉強してからシャワーを浴びてこよう。
今出るとまた母親と鉢合わせするから時間を遅らせたい。
こーちゃんの隣の家から引っ越した理由の結果が、まあこれだ。
両親が、離婚したから。