Sweet break Ⅳ
同期の中でもしっかり者で通っている紗季が、真っ赤になって否定するのが面白くて、つい揶揄ってしまう。
何だか、いつもはお姉さん気質な紗季が、可愛くみえる。
ほどなくして食事を終えると、ランチについてくるデザートのシャーベットが運ばれてきた。
この店自慢の林檎シャーベットは、夏の間の限定デザートで、それだけを食べにくる客がいるほど、さっぱりしていて美味しい。
『ね、そういえばさっきの法則で言うと、私と未来君も可能性あるってこと?』
『確率は約半数って言ったでしょう、朱音の場合、無い方の半数ね』
『どうしてわかるのよ』
『だって、未来君がいくらキャラ的に可愛くたって、関君に敵うわけないでしょ』
紗季の言う敵わないというのは、能力的に…という意味よりも、私にとっての”恋愛対象として”、という意味らしかった。
『それなら、私だって関君のれっきとした”彼女”だし、落合さんに負ける気は…』
『朱音』
『ん?』
『あなた、まだ関君と、手もまともに繋げていないでしょ?』
紗季にズバリと一番痛いところを突かれ、デザートのシャーベットを掬う手が止まってしまう。
『…それ、今言う?』
『言うわよ、友人として心を鬼にして言うわ』
紗季の方は、引き続きシャーベットを掬い、美味しそうに口にしながら続ける。