Sweet break Ⅳ
『案外、もらえて無かったりしてね』
『あの関君が?あそこまで断言しておいて?』
『本命の子が必ずしもくれるとは限らないでしょ、実は、今傷心中なのかも…』
『嘘っ、それってチャンスじゃない!?』
『だから澤井は彼氏いるでしょ?』
『関君は別格だって、ね、倉沢ちゃん』
『え…あ~どうでしょう?』
あの日。
関君は私からのチョコを受け取ってくれて、その後自分の不甲斐なさのために行き違いはあったけれど、一か月後のホワイトデーでその誤解も溶け、晴れて恋人になれたのは、紛れもなくこの私。
関君は別に隠すことじゃないって言ってたけど、周りに公言するのを止めているのは私の我儘だ。
だって、私にはまだ関君の隣にいる自信が、全くというくらい無いのだから。
『ねぇ、でもさ…』
内山さんが、落合さんの後ろ姿を見ながらポツリと呟く。
『もし本当に関君がフリーとして、今一番候補に挙がるのはあの子…かもね?』
『あ~確かにね。あの関君に”俺が責任取る”ってまで、言わせちゃったしなぁ』
『それ仕事の”責任”の話だけどね』
『やっぱ、いつも一緒にいて、教え教わり合ってるうちに、お互いの存在に気づく、的な?』
夢見がちな澤井さんが、妄想モードに入り目を輝かせる。
確かに、今の関君と落合さんは、常に行動を共にしていて、それこそ仕事を教わるときの距離感だって(私的には)妙に近い気がするのは気のせいだろうか。
そして何より、あの関君があそこまで彼女を信頼しているなんて…。
『新人とサポーターのジンクスって、本当にあるのかもね』
内山さんが溜息まじりに言ったセリフに、胸の奥底がキュッと痛んだ。