君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「何?俺が言ったこと、信じらんねぇ?」



中野 神弥は前髪を掻き上げ、溜め息を吐く。



「しゃーねぇか。今までの俺の態度見てたらな。」



中野 神弥は流し目で私を見る。



「な、何よ。」


「んー…分かった。」



何故か私の腰に手を回す。



「ちょ、ちょっと!」



何が分かったのか知んないけど、このいやらしい手を除けてよ!



「早く、帰ろう。部屋に着いたら…全部話すから。」


「え?」



全部?


全部って?



「分かんねぇって顔だな。…俺と花菜が何で一緒に住むことになったか、とか教えてやるってんだよ。」



私と、中野 神弥が一緒に住むことになった理由…


確か、理事長に「一緒に住んでくれ」って頼まれたからじゃなかったっけ。
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