君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
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――「あ、神弥くん!」



瑛ちゃんの声に顔を上げれば、颯爽と歩く中野 神弥が視界に入る。


中野 神弥は瑛ちゃんの顔を見ると、笑顔を向ける。


「どこ行ってたの?神弥くん。「R」の曲、次がラストだよ!」



瑛ちゃんは身をのりだし、中野 神弥に言う。



「本当ですか?あぁ、ヤバイな。架琉に謝んなきゃ。」



中野 神弥は猫をかぶって、瑛ちゃんに答える。


私の隣に腰を下ろした中野 神弥に、年甲斐もなくドキドキしてしまう。



「あ、そうだ――…」



瑛ちゃんが話し始めると共に感じた違和感。



「っ…!」



右手が…熱い。


まるで心臓が耳にできたんじゃないかってくらいドクドクいってる。



「ちょっと、あんた…」


「しー…」



然り気無く握られている右手。


左側の瑛ちゃんに気づかれないかとか、凄く緊張してる。
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