君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「花菜っぺ、今日はありがと!また誘うね。」


「こちらこそありがと、瑛ちゃん。うん!また誘ってね。」



瑛ちゃんたちが去ると、途端に会話がなくなる私たち3人。


綾香はちらっと私を見上げると、ニコッと笑った。



「パパ、そこで待ってるって。だから先に帰るね。」


バイバーイとぶんぶん手を振って消えていく。



「あ、ちょっと綾香!」



綾香は瞬く間に走り去ってしまった。


…綾香までいなくなった今、私は中野 神弥と2人きり。



「俺たちも帰るか。」



変にさっきのことを意識していた私は、中野 神弥の言葉に返事がぎこちなくなってしまった。


だけど無事マンションに着き。


いつも通りに振る舞えるようになった。


けど……



「中野 神弥…?」



何故か私は私を無表情で見下ろす中野 神弥に、初めてここに来た時のように、玄関扉に追いやられていた。
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