君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
なぁ、帝。


俺が落ちてるときに優しくすんなよ。


そんな風に優しくされたら、全てを委ねたくなるだろ。



「ね、話して?どうして元気がないの?」



ん?と顔を近づけ、首を傾げる。


帝は……言うなれば、可愛い部類の女だ。


金髪たちが騒ぐ理由も分かる。


けれど。


たくさんの男子生徒、いや女生徒からも人気があるのは…帝の天真爛漫で、だけど時には頼りになる――そんな帝の性格が関係しているだろう。


その帝が。


他にも多くの人間が居るなかで"俺に話しかけたかった"と言ってくれた。


親父たちに置いてかれたからって拗ねてた俺には誰も…近づこうとはしなかったのに。


俺が元気がないと辛い、と言ってくれた。


その言葉は……少しだけ、俺の荒れた気持ちを落ち着かせていた。
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