君は無垢なフリをして​───本当は野獣。


「痛っ!」


「花菜さん!大丈夫ですか?!」



そう言って立ち上がり、私に駆け寄るミカドちゃん。


「うん…大丈夫。」



笑顔で答えれば、良かったと笑みを溢すミカドちゃん。


周りを見回せば、躓くような物はなく。


(確かに何かに躓いたんだけどな…)


あるのは机と…



「花菜さん?」



……ううん、あるわけないよ。


まさかミカドちゃんが、何て。


バカなこと考えちゃった。



「何もない所で転けちゃうなんて、ドジだよね。」



パンパンとジーンズを叩く。



「あははっ。大丈夫ですよ、私もよく転けちゃうんで。」



あっけらかんと笑うミカドちゃんに、つい笑みが溢れる。
< 301 / 385 >

この作品をシェア

pagetop