君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

――「花菜!」



あ。


久しぶりに食堂で声…聞くな。



「神弥!」



視線が合うと、はにかんだように笑う。


小走りに近づくと、



「花菜、それ…何だよ?」



ジーンズの濡れを指摘される。



「あー…お水溢しちゃったの。」



ね。


とミカドちゃんに同意を求める。


が。


そこにミカドちゃんの姿はなく。



「あれ…?」



いつの間に居なくなったんだろ。



「どうした?」


「ううん、ミカドちゃんが…」


「…ミカド?」


「うん。最近仲良くなって。一年生の樋口 ミカドちゃんっていう娘…。」



私の言葉に訝しげに眉を潜めた神弥だけど、樋口という名前を出すと同時にいつもの表情に戻る。


…ミカドって言葉に反応した?
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